能面:孫次郎(孫一)
能装束:紅白段檜垣秋草唐織(元禄時代)ほか
扇:鬘扇
©長谷良樹
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[11月2日(土)] 第56回 花影会
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[11月2日(土)] 第56回 花影会
新年あけましておめでとうございます。
昨年は3年もの長きにわたる制限が解除され、多くの芸能を楽しんで頂ける状況になりました。
能楽界でも新たな取り組みが行われ、弊財団でも古くから守るもの、また新たな催しも行いました。
多くの催しにお運び頂きまことにありがとうございました。
希望に満ちた新年へと歩み始めた矢先に、痛ましい災害や事故が起き、悲しく、やるせない気持ちでおります。
お亡くなりになられた方へ心より哀悼の意を表させて頂きます。また被害に遭われた方々が1日でも早く日常を取り戻せますよう、復旧、復興をお祈り申し上げます。
熊本の震災以降は毎年現地に赴き、財団としてボランティアで能の授業を行っています。
現状、被災地にはすぐに赴けない状況です。これから個人として、財団として出来ることを考えてまいります。
弊財団の新年は1月4日、11時の謡初よりスタートしました。
4月21日、第55回花影会では財団設立より続く試みとして、「翁」とワキ能の「鶴亀」のシテを同じ者が勤める翁附を、岡久広氏にお願いしました。
能楽界でも数えるほどしかない貴重な翁附ですが、本年をもち一旦終了し、来年より新たなる企画を考えております。
どうかお一人でも多くのお客様にお出かけ頂き、お願い申し上げます。
能を楽しんで頂く事で、ご覧になる方が元気になれる様、寿福増長の精神をこれからも大切にしてまいります。
末筆で恐縮でございますが、皆様におかれましては、お心、御身体を何よりもお厭いくださいませ。
故 武田太加志は、能楽の興隆のために誠心誠意尽くした昭和時代の能楽師の一人といえます。その功績のなかでも、能楽師の手元から離れていた貴重な能面、能装束を生涯かけて収集し、現存する約200曲の演目に足りるものを保有したことは、能の将来に明るい広がりを与えました。
また、故人は「いつでも自由に芸の研鑽を積める環境」を理想として掲げ、その修練の場として昭和51年 武田修能館を再建し、以後 多くの門下が稽古場として活用しています。
昭和60年の太加志没後、その嫡男である志房は、故人の遺した財産を維持継承しながら、新たな面装束の製作を続けて更なる充実に努めました。
そして志房は、これからの能の将来を見据えて、「父の遺した偉大な志と財産は、能楽の世界でこそ生きる」と確信し、平成28年11月1日、長男 友志と共に弊財団を設立、私財であった能面、能装束等と武田修能館の全てを弊財団へ寄付しました。
このたび 弊財団は、内閣総理大臣より公益財団法人として認定をいただきました。今後は、所蔵する財産を能楽界の公財としてご活用いただきながら、斯界のみならず、我が国の文化芸術の振興に寄与できますよう、積極的な活動に努めて参ります。